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  • 14501265)法律コラム:定期借家契約の終了に関する注意事項

定期借家契約の終了に関する注意事項

 

1 借家契約には、普通の借家契約と並んで、定期建物賃貸借契約があります。この借家契約は、一般に、「定期借家契約」と呼ばれます。2000年の借地借家法改正で創設された制度で、それまでは、借家契約を結ぶと、「正当事由」制度によって更新拒絶や解約申入れが厳しく制限されていました。しかし、それでは良質の借家の供給が阻害されるということで、上記改正によって、契約で定めた期間が満了しますと、更新することなく契約が終了する定期借家契約制度が導入されたのです。これによって、以前の建物賃貸借契約がなくなったわけではありません(普通借家と呼ばれます)。普通借家とともに、新たな選択肢として定期借家契約が加わったということです。

 このように、定期借家契約は、更新されないことを特徴とする建物賃貸借契約ですので、期間が満了しますと自動的に契約が終了すると考え、特に何の措置も講じない家主さんがいます。しかし、定期借家契約が終了しそれを借家人に主張するためには、事前の通知が必要です。家主の方は、この点に十分な注意が必要です。

 

2 以上の点を条文で確認しておきましょう。借地借家法の第38条4項は、次のように規定しています。

 「第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。」

 次の2点に注意しておきましょう。

 ①建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(これを「通知期間」といいます)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければなりません。それをしませんと、定期借家契約の終了を「建物の賃借人に対抗すること」ができません。これを理論的にどのように説明するかには、難しい議論がありますが、ともあれ、事前の通知をしておきませんと、期間が満了しても、借家人に出て行ってくれと請求することができないわけです。

 その趣旨は、後で引きます東京地裁判決の説明を参照しますと、「賃借人が期間を失念していたような場合には、代替する借家を見つけていないこともあり得るので、賃借人にとって酷な事態になりかねない」ので、それを防ぐところにあります。

 ②「通知期間」内に通知をしなくても、期間満了前であれば通知をすることができます。ただし、この場合には、通知から6月を経過した時点で(ですから契約上定められた期間は過ぎています)、契約の終了を賃借人に対抗することができるようになります。

 

3 それでは、通知をしないまま期間が満了してしまった場合には、その後通知をすることはできるのでしょうか。2で引いた第38条4項但し書は、「その旨の通知」としていますから、これは、「建物の賃貸借が終了する旨の通知」であることが明らかです。ですので、この通知は、期間満了後にはすることができません(建物の賃貸借はすでに終了してしまっていますので、「終了する旨の通知」はすることができません)。したがって、第38条4項但し書に従って通知をするというわけにはいきません。このように、期間満了後の後の通知の可否に関しては、明文の規定がないのです。

 学説には、肯定説と否定説とがありました。そのよう中で東京地裁のある判決(東京地判平成21年3月19日判時2054号98頁)は、この問題を肯定しました。次のように述べています。「契約期間1年以上のものについては,賃借人に終了通知がされてから6か月後までは、賃貸人は賃借人に対して定期建物賃貸借契約の終了を対抗することができないため、賃借人は明渡しを猶予されるのであり、このことは、契約終了通知が期間満了前にされた場合と期間満了後にされた場合とで異なるものではない、以上のように解するのが相当である」。要するに、第38条4項但し書の趣旨は、期間満了後にも当てはまるというわけです。

 この判決の考え方は、これからの紛争にも適用されていく可能性が大きいと考えられます。そうしますと、通知期間内の通知を行った場合でも、6月の猶予期間を覚悟すれば、借家人に出て行ってもらうことができることになります。

 

4 しかし、さらに1点注意すべき点があります。通知をしないで期間が満了し、その後かなり長い間、賃料も受け取るという賃貸借状態が継続した場合でも、この関係の維持がいやになったので、通知を出して、6月後の建物明渡しを請求することができるのでしょうか。これを認めることは、事情によっては、当事者間の公平という観点から問題を含むということになるでしょう。

 この場合の解決を判断している裁判例はありません。そのため、この場合にどのような法律関係になるかを明確に述べることは難しいのですが、事情によっては、普通建物賃貸借を黙示に締結したと認められる場合もありうるでしょう。

 としますと、通知を失念したまま期間満了を迎えたような場合には、その後なるべく早い時期に通知をしておきませんと、建物賃貸借契約の終了という効果を得られない危険があるわけです。この期間がどの程度のものとなるかは、事情によって異なりますので、明確なことは言えません。しかし、数ヶ月と考えておくのが無難でしょう。先の東京地裁判決では、期間満了から3月後に通知を行ったというものでしたが、普通建物賃貸借の黙示の締結が否定されています。

 

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