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【所長コラム】北海道金属じん肺訴訟との出会い②~身の置きどころのない苦しみが患者たちの全身を襲う

札幌弁護士会所属、村松法律事務所所長 弁護士の村松弘康です。

前回の続きになります。

【所長コラム】北海道金属じん肺訴訟との出会い①~会社を相手に裁判を起こすことに踏み切れなかった労働者たちの想い

 

じん肺の患者になると、どういった生活が訪れるか想像したことがあるでしょうか?

残酷なことに、じん肺患者は、もとの健康な身体を取り戻すことは二度とできません。進行性、不可逆性の疾病である結果、症状の進行・増悪を止める治療方法は無いのです。

死の恐怖に脅えながら、呼吸の苦しさに耐えて日々を過ごすほかないのです。

さらに、進行すると全身的な衰弱をおこし、抵抗力も弱まり、細菌に感染しやすくなります。気温の変化によって簡単に風邪をひき、容易に死に至ることもあるのです。

また咳、たん、呼吸困難、発作時の大量の汗、動悸、背中や胸の痛みに常時おそわれます。疲れやすく、坂道や階段の上り下りはむろん、平地でさえ、短い距離をゆっくりとしか歩くことができなくなるのです。

食欲の減退、体重の減少により、顔から活力が失せて老人のような表情になってしまいます。入浴も短時間ですませなければなりません。布団を抱きもたれかかって寝なければ、息が続かなくなるのです。

身の置きどころのない苦しみが全身を襲い、あまりの息苦しさに平常心を失い、異常な行動に走る患者もいたほどです。

息が苦しくて食べることも飲むことも出来ず、家族に「タントウ、デバ、ナイフ、スイミンヤクカッテキテ」と言い、「ハヤク、ラクニナリタイ」「コワイ、クルシイ」と何度も言い続けながら死んでいった患者も多かったのです。

岩見沢藤堂病院の病室には、自殺防止用の鉄の柵が設置されていました。

(次回へつづく・・・)

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