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労働問題コラム「職場での仮眠時間を労働時間から除かれた場合はどうすればいいのか」(元裁判官・労働審判官 弁護士内田健太)

1 相談内容

—「私の働いている病院では夜勤があります。仮眠時間については休憩時間として労働時間から除外されています。契約書にも『仮眠時間は休憩時間とする』との記載があります。もっとも、仮眠時間であっても緊急時には患者の対応などをしなければならないのですが、このような場合であっても、仮眠時間は休憩時間に算入されてしまうのでしょうか。」

2 仮眠も労働時間に算入される場合がある

 仮眠時間であっても、その実態によっては労働時間に算入される場合があります。

 まずは、夜勤の勤務の実態(何人での交代勤務か、緊急の対応の頻度はどの程度か等)を聞き取り、判例などを踏まえて、労働時間に該当するかを検討する必要があります。

 労働時間に該当する場合には、仮眠時間に相当する部分の未払いの残業代等を会社側に対して請求することになります。このとき、他の勤務時間についての未払い残業代がある場合には、それらも合算して請求していくことになります。

3 解説

 ⑴ 「労働時間」とは

 労働時間とは、「客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれている時間」を意味するとされており、当事者が契約で休憩時間とされていても、指揮命令下にある限りにおいて労働時間と法律上は評価されることになります。

 ⑵ 仮眠時間も労働時間にあたるか

 仮眠中など、実際には労働を行っていなくても、使用者の指示があれば労働することが義務付けられている時間は、「手待ち時間」と呼ばれ、労働時間に該当するとされています。

 たとえ、契約書に『仮眠時間は休憩時間とする』と記載されていたとしても、それに必ず縛られる拘束わけではなく、実態から判断されます。

 緊急時に患者などへの対応を求められ、また実際に対応を行うことがしばしばあるような場合には、労働時間に該当する場合があります。

 そのため、実際の勤務の状況の聞き取りや関連裁判例の調査を踏まえ、仮眠時間が労働時間に該当するかについての見通しを立てる必要があります。

4 お悩みの際は、是非ご相談を

労働時間に該当すれば、賃金も生じます。未払い分の請求は正当な権利の行使です。しかし、請求は考えたものの、一人では言い出しづらいという方もしばしばみられます。

私自身、裁判官時代に労働審判官として多くの労働審判を担当してきました。その経験をもとに、裁判になった場合の見通しをふまえ、依頼者の方の要望を踏まえ、方針を決定していきます。

お困りの際は、是非、ご相談ください。

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