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従業員の横領等と重加算税(連載第1回)

1   はじめに

 重加算税が課されるか否かは、課税庁との間で争いになりやすい重要論点の1つです。
 本稿では、従業員による横領等により会社に重加算税が課されるか否かが問題となる場合について御紹介します。

2   重加算税とは

(1)  申告内容について問題点を指摘された場合

 税務調査を受けて課税庁から申告の内容について問題点を指摘された場合、
① 納税者側においてその指摘に納得して修正申告に応じる場合
② 納税者と課税庁の見解の相違が埋まらずに税務署長による増額更正に至る場合
 があります。

(2)  「修正申告」と「更生」

 「修正申告」は、納税者の側で既にした申告よりも高い税額を申告することをいいます。

 これに対し、「更正」は、税務署長が、納税者に対し、納税者の申告税額と異なる税額の納付義務を負わせる処分であり、税額を増加させる場合と減少させる場合の両方がありますが、そのうち税額を増加させる更正を「増額更正」と呼んでいます。

 なお、納税者が、申告税額を減少させる「修正申告」をすることはできません。
 納税者が正しい税額よりも高い税額を申告してしまった場合には、「更正の請求」という手続をとる必要があります。

(3)  加算税とは

 修正申告と増額更正のいずれの場合も、納税者は、増加後の税額と既に申告納付していた税額との差額(これを「増差税額」と呼んでいます。)を納付すべきことになりますが、これに加えて「加算税」という特殊な税が課されることになります。

 報道などで「税務調査の結果、●●円の追徴課税に至った」というような表現を見かけますが、この場合の「追徴課税」とは、増差税額と加算税を合わせたものを指していることが多いようです。

(4)「過少申告加算税」と「重加算税」

 修正申告又は増額更正があった場合に課される加算税には、通常の場合に課される「過少申告加算税」と、納税者が税額の計算の基礎となる事実についての隠蔽・仮装の行為をした場合に課される「重加算税」とがあります。

 過少申告加算税は、増差税額の原則10%、これに対し重加算税は増差税額の原則35%と高額です。

 重加算税が課されることになる場合、追徴課税の額が重加算税の分だけ多額になるばかりでなく、多くの場合、更正の対象となる期間が5年から7年に延長となって過去7年分に遡って追徴課税される、青色申告承認が取り消されることがあるといった問題にも波及し、納税者にとっては大ダメージとなります。

 税務調査の結果の説明を受けて、納税者側として修正申告はやむを得ないものとして応じたものの、後から高額の重加算税が課されることがわかり、やはり争うことになったというようなケースもしばしばあるようです。

 

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